これまで音楽系の話題を取り上げるとき、訃報や逝去が絡むことが多く、一抹の寂しさがあるんだけど、今回もそうなってしまった。
HIPHOPグループ・SHAKKAZOMBIEのMCのひとり、Big-Oことオオスミタケシが今年2021年1月に亡くなられた。
■個人的名盤・SHAKKAZOMBIE「S-SENCE 2000」■
以前記事にしたBuddha Brandとともにユニット“大神”を組み楽曲を出すなど90年代後半~00年代前半のHIPHOPムーブメントを語る際に外すことのできない最重要グループのひとつだが、それよりも語らずにいられない理由が自分にはある。
それは2000年にリリースされたRemixアルバム「S-SENCE 2000」。
発表されて20年以上経つこの作品を、自分は今だ聴き続けているからだ。
オリジナルアルバムじゃなくてなぜRemixアルバム?!と疑問を抱く方もいらっしゃると思うが、この作品に関しては原曲とはもはや別物といえるような楽曲も多く、親交のあるバンドとのセッション曲はリミックスというか“リレコーディング”を行うなど新たな試みから生まれたオリジナルアルバムに近い一枚だ。
当時「山嵐」や「麻波25」などいわゆるミクスチャーロックといわれるバンドは多くいたが、HIPHOPの方からロック方面にアプローチしたアーティストはそう多くなく新鮮さもあった。何よりただのラップ+ロックじゃない、違和感を感じない“シャカゾンビらしさ”が自分の感性を鷲づかみにした。
セッション曲以外も原曲が上手く料理された曲に仕上がっており(特に#5・WONDER WORKERや、#8・64 BARS RELAYは良Remix)、一曲も飛ばし曲のない、最初から最後まで通しで聴ける一枚だと個人的に思っている。
…と、この作品の良さを語ればキリがないが、リリースされてもう20年経ちそれを今も聴き続けていることにあらためて驚き、そして今またこの作品のオオスミのラップを聴き、亡くなったことに深い悲しみを感じずにいられない。
■トリビュートEPに抱く万感の思い■
そして2021年6月、オオスミに捧げるトリビュートEP「BIG-O DA ULTIMATE」が配信され、早速聴いた。
全曲すごくカッコいい!2003年にアルバムをリリースして以降活動停止状態だったシャカゾンビの新曲(EP収録曲はRemixだけど)をこういう形で聴ける日が来るとは…なんだか胸に迫るものがある。